2010年10月03日
10月特集2 「室町から西陣へ、町家活用の先駆者」

ワインサロンとイベントを切り盛りするyu-anスタッフの峯近慶子さん
★室町から西陣へ、町家活用の先駆者
ミホプロジェクト 武智美保さん
ローマで京都とイタリアの文化交流やイベントなどを手がけるオフィスを開設して25年を迎えるという
武智美保さん。1995年に京都オフィスを開設するのに選んだのが室町の町家でした。
「京都で始めるにあたってはコンクリートのところでやりたくなくて、
実家の近くで土地勘のあるところを探していたら、紹介されたのが町家だった」という武智さん。
茶室風のワインサロンや坪庭のあるオフィスは、町家ブームの先駆けとなり、多くの見学者が訪れる事に。
「イタリアではワインを飲みながらのアフターアワーが楽しく、
いいアイデアが出るのもそんなときだったのでオフィスにもワインバーが欲しかった」
という理由から始めたサロンyu-anでは、
体にいい食をテーマにしたイベントやアートにまつわる講座などを開催。
そして同志社大学ビジネス研究科の「革新塾」の講師を務めた
関係から同大の教授の実家を借り受けることになり、西陣へと移りました。

開催中の「ひらのつよし絵画展」。10月8日にはライブペインティングも行われる
西陣から世界へ
「根っからの京都人が多いという西陣は、難しいところともいわれていますが、
昔から職人さんが多くて個性の強い町。
90年代にはエルメスがアルチザンというテーマで西陣の職人さんを招いたり、
京都と世界を繋ぐという点では、意味のあるところだと思います。
最近ではアーティストも多く住むようになっているし、
彼らとも点から線へと活動を広げていこうと話し合っています。
町家を使うということでも、地元の方からもいいアドバイスをもらったり、
何年かいるといい関係ができてくるところです」という武智さん。
昨年からスタートした京都のDNAを持っている
アーティストを海外に紹介していく「京都・パリ20区物語」というイベントでは、
パリの1区から20区までに20年かけて毎年新しいアーティストを送り出していくといいます。

昨年、パリで開催した「京都・パリ20区物語」では谷川幸さんの作品を紹介
■miho project-ミホプロジェクト-